公開日 2023年09月12日
地域おこし協力隊 〜富士ケ丘Favoratory(フジガオカ・ファボラトリー)〜
富士ケ丘から自然や文化など、土地の”FAVORITE(お気に入り)”を見つけて、そこから作品を作り、発信していく"LABORATORY(実験室)”という思いを込めて、
地域おこし協力隊や集落支援員とともに地域を盛り上げてくれる人々のチームを「富士ケ丘Favoratory」(フジガオカ・ファボラトリー)と名付けました。
地域おこし協力隊通信では、富士ケ丘での取組をはじめとした、芸術によって地域を盛り上げる活動を発信しております。
vol.96 東京藝術大学『藝祭2023』学生制作作品「御輿」に市長賞を授与しました!
東京藝術大学の大学祭『藝祭』では、毎年一年生が学科や専攻ごとにチームに分かれて御輿を作り、大学から上野公園を練り歩き、さらに賞を競うという
伝統行事があります。(「藝祭2023」のHPはこちら)
芸術によるまちづくりを推進する北茨城市では、岡倉天心や日本美術院との繋がりを持つ東京藝術大学の芸術活動を支援するため、藝祭における
神輿パフォーマンスに対する賞の一つとして「岡倉天心・北茨城市長賞」を授与しております。
という訳で、去る9月1日(金)、今年も学生の皆様の御輿パフォーマンスを見届けるべく、「藝祭2023」に行ってきました!
過去の市長賞受賞作品
こちらは「藝祭2018」で市長賞を受賞した、油画・建築・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽チームが製作した御輿、
「かわいそうなぞうが 今ふたたび上野に花を咲かせる」(藝祭HPより)
詳細はこちらをご覧ください。
こちらは「藝祭2019」における市長賞受賞作「進化の続きを、いまここで。」(藝祭HPより)
2018に引き続き、建築・油画・声楽・指揮・打楽器・オルガン・古楽チームが製作した作品です。
こちらは、新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの実地開催となった「藝祭2022」において、
市長賞を受賞したデザイン・芸術学・作曲・弦楽器チームが製作した作品です。
詳細はこちらをご覧ください。
開口一番
一夏の思いを込めた神輿を肩に、オリジナルの法被を身にまとって練り歩く学生たち。
開会式にあたる「開口一番」の舞台、上野公園内竹の台広場に、4基の神輿が勢揃いする様は圧巻でした!
夏の盛りを思わせる肌を焼くような日差しの下、12:00にサンバ部による演奏がスタート!
ユーモア溢れる力強い日比野学長のご挨拶に、学生たちも鼓舞され会場がより一層活気づいたようでした。
※頭上に掲げているのは、昨日ダンボールで作った学長賞トロフィーとおっしゃっていました。
生演奏で披露された楽曲は、なんと今回藝祭のために作られたテーマ楽曲とのこと。
心地よい音色にうっとりと聞き入ってしまいました。
御輿パフォーマンス
12:30からは、待ちに待った神輿パフォーマンスの始まりです!各チームが賞を競って練習の成果を発揮します。
「藝祭2023」では以下の賞が準備されていました。
○KOMOGOMO展賞
○岡倉天心・北茨城市長賞
○上野観光連盟賞
○神田明神賞
○マケット・法被賞
○上野6丁目商店街連合会賞
○学長賞
これら賞の受賞を目指し、学生の皆さんはパフォーマンスを行います。
ちなみに「藝祭2023」のテーマは『いま、ここで』
学生たちがこの日のために時間と労力をかけて制作した神輿のパフォーマンスを、まさに「いま、ここで」見守ることができる喜びに、胸が熱くなる思いでした。
トップバッターは、「油画・建築・打楽器・指揮・オルガン・古楽・声楽」チームから。
「ここにいることはここにいなかった状態を示唆している。異なる地からの移動が存在し得なければここという観念は生じない。今も同様に。」(藝祭HPより)
深海にたたずむ鯨の遺骸を表現しているとのこと。神秘的な雰囲気を醸し出す作品と息の合ったしなやかなダンスがとっても魅力的。
声楽科による歌もまたより一層ムードを盛り上げていました。
続いて、「デザイン・芸術学・弦楽器・作曲」チームのパフォーマンス。
「カオスな街、東京。この街は様々な文化を吸収し、光を放つ。この街で駆け回る一つの大きな影。たくさんの色を交え、どんな色に輝く。」(藝祭HPより)
一見、和のテイストを感じさせるこの作品。途中でキレキレのテクノポップが加わり、見るものを惹き付けるパフォーマンスでした。
さらにこの化け猫、口から白煙を吐き出すという驚きの仕掛けが施されていました!
お次は「彫刻・先端芸術表現・音楽環境創造・ピアノ・管楽器」チームのパフォーマンス。
「天界に住まう神の使い災が降り注ぐたび人々の死者への思いを神へと伝える。
地上にて散った狛犬達が再び天界で出会えるように狛犬達は白い彼岸花を携える。」(藝祭HPより)
細部まで作り込まれた迫力満点の狛犬は、大変見応えがある出来栄えでした。また、緑色のお面を被った白髪の人物が
滔々と語りかけてきて、まるで物語に引き込まれるような高揚感を味わいました。
最後のとりは「日本画・工芸・邦楽・楽理」チームのパフォーマンスです。
「民憂きほど 言ひ伝へられたる龍 俗世にうちいづ」 (藝祭HPより)
ジブリ某作品を彷彿とさせるような出で立ちをした人々の舞いや、序盤布で隠した神輿を一気に披露する演出など
観衆がワクワクさせられる演出がなんともにくい、とても楽しいパフォーマンスでした。
以上、4チームそれぞれが個性を発揮した特色あるパフォーマンスを行い、会場は大いに盛り上がりました。
果たして、今回北茨城市長賞に選ばれるチームは一体どこだ・・・!?
御輿表彰式
あまりの猛暑に、予定していた綱引きを急遽取りやめ、表彰式を行うことになりました。
学生の皆さんが固唾を飲む中、賞の発表が進みます。
そして、北茨城市長賞の順番がやってきました。
市長からは、芸術によるまちづくりを推進していること、是非学生の皆さんに北茨城市に足を運んでもらいたいという話がありました。
そして、遂に受賞チームの発表です。映えある「岡倉天心・北茨城市長賞」に輝いたチームは・・・
「デザイン・芸術学・弦楽器・作曲」チームの皆さんです!
代表のデザイン科・佐藤航大さんより、「仲間と3ヶ月かけて神輿を作った。選ばれてとても嬉しい!」とのお声をいただきました。
最後は市長賞を受賞した「デザイン・芸術学・弦楽器・作曲」チームの皆さんと記念撮影。
皆さん、受賞おめでとうございます!
市長もお話されていましたが、若くてエネルギッシュなパワーを間近で拝見し、芸術がもたらす感動を肌で実感することができました。
北茨城市では岡倉天心との縁から、東京藝術大学の講師や学生の方を招き、子どもを対象としたワークショップを行うなど、交流を続けております。
引き続き、藝大の皆さんと交流を深めながら、芸術によるまちづくりに取り組んでいきたいと思います。
学生のみなさん、暑い中大変お疲れ様でした。
これまでの地域おこし協力隊の活動もぜひご覧ください☆
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