公開日 2019年06月17日
地域おこし協力隊 〜富士ケ丘Favoratory(フジガオカ・ファボラトリー)〜
富士ケ丘から自然や文化など、土地の”FAVORITE(お気に入り)”を見つけて、そこから作品を作り、発信していく"LABORATORY(実験室)”という思いを込めて、地域おこし協力隊と、協力隊とともに地域を盛り上げてくれる人々のチームを「富士ケ丘Favoratory」(フジガオカ・ファボラトリー)と名付けました。あなたも、協力隊とともに地域を盛り上げるファボラー(メンバー)になってみませんか?
vol.84 桃源郷芸術祭2019開催報告!
”アートと共に生きるまち”を目標に、北茨城市地域おこし協力隊がプロデュースしたイベント「桃源郷芸術祭2019」。
大変遅くなりましたが、その模様をご報告いたします!
「桃源郷芸術祭2018」は、海に近い茨城県天心記念五浦美術館をメイン会場にした市内7会場での開催でしたが、今回は、木々や山々に囲まれた旧富士ケ丘小学校「芸術活動拠点施設 期待場」と地域おこし協力隊アーティスト石渡のりお&ちふみ夫妻のアートユニット「檻之汰鷲」が改修する古民家「ARIGATEE」の2会場を舞台に開催されました。
3月2日から10日までの9日間の会期で、5,060人の方にご来場いただきました!
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
今回は見逃してしまったという方は、ぜひ次回の芸術祭にご来場ください☆
ここでは、各会場の様子をレポートします!
期待場
期待場会場に着くと、桃源郷芸術祭2019ののぼりがお出迎え。
総合案内・受付では、ボランティアスタッフにご応募いただいた方々がお客様をお出迎えし、会場マップなどを配付しながら丁寧にご案内。
多くの地域住民の方々にボランティアスタッフとしてご参加いただき、桃源郷芸術祭の掲げる4つの基本方針の一つである「地域密着型」を実現していました。
小さなお子さんも受付に立ってくれて、お客様から大人気でした☆
初日には、体育館を改修したギャラリー期待場前のデッキでオープニングセレモニーを開催。
市長・副市長・教育長、そして地域おこし協力隊によるテープカットが行われました!
テープカットに続いて、ギャラリー期待場前のデッキを活用したステージでは、地元「雨情の里♪音楽祭 UJOっ子ミュージックかんぱに」の皆さんによるオープニングパフォーマンスが披露されました!
「UJOっ子ミュージックかんぱに」は、日本三大童謡詩人の一人である野口雨情の里「北茨城市」を盛り上げようと始まった「雨情の里音楽祭」に集結したメンバーの皆さん。
野口雨情の詩による「七つの子」、「猩々寺の狸囃子」、「シャボン玉」のほか、北茨城市出身で「期待場」の名付け親でもあるアーティスト石井竜也さんの所属バンド「米米CLUB」の代表曲「浪漫飛行」も披露するなど、北茨城市ならではのオープニングパフォーマンスとなりました♪
ギャラリー期待場内では、アートマーケットや市民アーティスト&クリエイター作品の展示と日替わりのクラフトマルシェを開催。
写真奥のステージに飾られているのは、常設の石井竜也さんによる「ART NUDE」という作品です。
旧校舎内の各教室では、アートマーケットやクラフトマルシェ、ワークショップ、企画などが行われました。
こちらは、北茨城市在住の洋画家 毛利元郎さんの作品「オルヴィエートからの眺望」。
今回の芸術祭のキャッチコピー「作家に会える、話せる、好きになる。アートに手が届く。」のとおり、各展示室にはほぼ毎日作家さんが常駐してくださり、ご来場の皆さんが直接作家さんに質問したり、お話を伺うことができました。
そして、「アートマーケット」という名のとおり、作品を展示するだけでなく販売も行っており、気に入った作品があれば購入することも可能でした。
こちらは、ガラス工房シリカの高坂真次さんの作品「today is a new day」。
とても繊細なバーナーワークによるガラス作品です。
こちらは、北茨城市在住のタイダイ(絞り染め)アーティスト大森健史さんの展示室。
「染色が織り成す芸術性の特色は素材(布など)を立体的にたたみ、四方八方から色付けをして立体空間の中で色を融合させ滲ませて完成させていく技法です。立体的にたたまれた素材に水圧や湿度などを駆使して限り無い滲色や濃淡の表現を施します。」(桃源郷芸術祭ホームページ アーティスト名簿より)
染め上がりをイメージして、素材を折りたたむ時点から計算し尽くされているのだろうと思うと脱帽です。
大森さんのファンの方のご来場も多く、皆さんタイダイのグッズやTシャツなどを身に着けられているため、大森さんのファンだとすぐにわかりました☆
桃源郷芸術祭2019では、公募により出展者を募集しました。
その中で、北茨城市に5〜30日間滞在して、地域からのインスピレーションによって作品を制作し、その作品を桃源郷芸術祭に出品する滞在制作者も募集、3名の方を選考しました。
お一人目は、東京藝術大学彫刻科の川合香鈴さん。
主にテラコッタ技法を中心として彫刻作品を制作されており、今回の滞在制作では、地元の伝統工芸である五浦天心焼きを学び、蛙目粘土を使った彫刻作品を作ってくださいました。
二人目は、東京藝術大学建築科の吹野晃平さん。
普段建築を学ばれている吹野さんは、北茨城市に滞在して、期待場やポート大津などの建築模型を作り、芸術祭期間中来場されるお客さんから様々な改修のアイディアをいただくワークショップを実施しました。
皆さん、ここをこうしたらいい、とか、ここがこんな風だったらいい、といった自由な発送による様々な提案をしてくれたようです。
そしてもうお一方は、神戸芸術工科大学ガラス陶磁器コースのオオニシクルミさん。
陶芸の泥漿という技法を使って植物の形を残す作品を制作されています。
今回は、北茨城の植物を使った磁器作品を制作してくれました。
とても繊細で美しい作品です。
滞在期間中は、皆さん、海と山の近い北茨城市の自然豊かな情景に感動されていた様子でした。
そして、滞在制作者の選考には漏れたものの、自ら北茨城市に滞在し、北茨城市からインスピレーションを得て作品を制作される作家さんも複数いらっしゃいました。
「石松豊+國分友美子」さんは、北茨城市に滞在し、旧富士ケ丘小学校で使われていた楽器の音や、六角堂など北茨城の自然音を録音し、サウンドアート作品を制作。
来場された方も実際に楽器を鳴らして作品に参加するインスタレーションの場を作られました。
校舎内に楽器の音が聞こえてくると、学校だった時代が思い出されました。
また、今回の芸術祭では、地域密着型という基本方針に基づき、市内のお子さんからも作品を募集し、「こどもアーティスト作品」として多数の絵画を展示しました☆
お子さんの作品が飾ってあると、これまた学校時代を彷彿とさせませすね。
さらに、アトリエ3-5では「北茨城子どもアート教室」も開催。
お子さんたちが手形でアートを作るという試みで、皆さんとても楽しそうに思い思いの色で手形を押していました♪
ギャラリー期待場前のデッキを活用したステージでは、土日限定でしたが、アコースティックライブやトークショー、ライブペインティングを開催。
こちらは、邊薫さんによるライブペインティングの模様です。
約50分程度で、こちらの迫力ある作品を仕上げられました!
観客が見守る中で、すごい集中力です。
こうしてステージ上で描かれた作品も、その後展示会場で展示されました。
また、土日には飲食ブースも出店!
地元でおなじみの飲食店に加え、市外や県外からもホットドックやピザ、クレープ、コーヒーのお店などが出店してくださいました。
3月ということもあり、地元の特産あんこう鍋も販売されていました☆
そして、ARIGATEE会場では、富士ケ丘の地元の方々による芸術祭限定の食堂も!
そちらは後ほどご紹介いたします☆
また、土日を中心にクラフトマルシェを開催!
手作りアクセサリーや陶芸、ハーバリウム、革雑貨や紙細工などの作家さんが日替わり出店されました☆
ご来場の皆さん、お気に入りの物を見つけてはお買い物を楽しまれていたようです♪
ARIGATEE会場
期待場からさらに西へと進み、山々に囲まれたのどかな景色の中に佇むARIGATEE。
地域おこし協力隊アーティスト石渡のりお&ちふみ夫妻から成るアートユニット「檻之汰鷲(おりのたわし)」が改修を進める古民家です。
平成29年度に改修を進めていた母屋と、平成30年度に改修した馬小屋を公開するとともに、その内部には檻之汰鷲さんのコラージュやパピエマシェなどの作品や地元から収集した古民具などを展示。
さらに、3月3日には音楽家SINSENさん、Matsusaka Daisukeさんによるインスタレーションも開催されました。
こちらが改修した馬小屋、その名も「ウマイエ」。
因みに、改修前の馬小屋の様子がこちら。
右の写真が改修ごと同じ角度のもので改修前後の様子がわかりやすいのですが、既に手前の鳥小屋(?)部分の塗装をし直した後の写真のため、左に全く改修に着手していない状態の時の写真を掲載してみました。
塗装が変わっただけで、一気にオシャレ度がアップした気がします☆
馬小屋1階では、檻之汰鷲さんの立体作品「一角獣」がお出迎え。
こちらが、改修前後の馬小屋2階の様子。
物置だった空間が、滞在も可能な快適な空間になりました。
芸術祭期間中は、檻之汰鷲さんの作品であるパピエマシェの動物たちが集まっていました☆
ARIGATEEでは、富士ケ丘の地元の方々による芸術祭限定の食堂「アリガ亭」がオープン。
1杯100円の豚汁と、羽釜で炊かれたおいしいご飯に、皆さん舌鼓を打たれていました☆
3月10日には、チェーンソーアートの実演も行われ、ARIGATEEにはますます動物たちが増えていました。
表彰
今回の芸術祭では、アートマーケット・クラフトマルシェ・フード・ステージパフォーマンス・ワークショップ&企画の全ての出展者の皆様を対象に、北茨城市長が選ぶ「市長賞」、北茨城市文化協会会長が選ぶ「文化協会賞」、北茨城美術協会会長が選ぶ「美術協会賞」、そして、来場者の皆様からの投票により決まる「来場者賞」の4つの賞を設けました。
その受賞作品をご紹介いたします!
北茨城市長賞には、五浦天心焼研究会による企画「キャンドルイルミネーション」が選ばれました!
天心焼研究会の皆さんが手分けして作成した素焼きのキャンドルカバーが、期待場の正面玄関・昇降口前に飾られ、日暮れの会場をほんのりと照らしてくれました。
北茨城市文化協会賞には、アートマーケットの平良重さんの作品が選ばれました!
平さんは、北茨城市在住のチェーンソーアーティストで、桃源郷芸術祭2019開催記念連続ワークショップにおいて、チェーンソーワークショップの講師を務められるとともに、チェーンソーアートの実演も行ってくださいました。
また、芸術祭期間中、ARIGATEEにおいてチェーンソーアートの実演を行ってくださったのも平さんです。
芸術祭には、チェーンソーアートの外、写真のような古民家のジオラマ作品なども出品され、文化協会会長はこちらの作品に感銘を受けたようです。
北茨城美術協会賞には、アートマーケットの茨大民宿編集室さんが選ばれました!
こちらは、茨城大学理工学部の都市システム工学専攻の講義「建築史・意匠特論」の時間を活用し、「大津港・平潟港周辺」を研究対象地域として、旅館・民宿のフィールドワークを行ったもので、地域おこし協力隊コーディネーターの都築さんも、このフィールドワークに協力していました。
その調査結果が芸術祭において展示され、美術協会会長が非常に興味深く見学されていました。
そして来場者賞には、地域おこし協力隊と協力隊とともに地域を盛り上げてくれる人々から成るチーム「富士ケ丘Favoratory」(フジガオカ・ファボラトリー)のワークショップ「ガーランドづくり」が選ばれました!
ご来場いただいた多くの皆さんにガーランドづくりにご参加いただき、芸術祭期間中に186mも長くなりました!
芸術祭終了時点でようやく1kmを超え、1061mに☆
これからも色々な所でガーランドづくりを開催してまいりますので、ぜひご参加ください♪
そして、富士ケ丘Favoratoryにご投票いただきました皆様、誠にありがとうございました!
こちらが表彰式の様子。
各賞を受賞されました皆様、誠におめでとうございます!
そして、惜しくも受賞を逃しました皆様も、桃源郷芸術祭2019に御参加をいただき、誠にありがとうございました☆
こうした表彰が、皆様の創作意欲のますますの向上につながっていくことを祈念しております。
また来年もぜひご参加をお待ちしております!
開催期間中、本当に多くの方のご来場をいただきました。誠にありがとうございました☆
会場で実施していたアンケートでは、皆様から非常にご好評の声をいただき、満足いただける内容になっていたものと思います。
そんな中でも、改善に関するご意見もお寄せいただきました。
そういった貴重なご意見も踏まえ、より良い芸術祭にしていけるよう努めてまいります!
次回の芸術祭にもぜひご来場ください☆
【桃源郷芸術祭2019事務局】
〒319-1725 茨城県北茨城市関本町富士ケ丘756-1 アトリエ201
TEL:0293-46-0362 FAX:0293-42-7308(北茨城市役所企画政策課)
E-mail:tougenkyo.art.fes@gmail.com
URL:http://www.city.kitaibaraki-art.jp
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